株式会社エニグモ 会員220万人を超えるソーシャルショッピングサイト『BUYMA』を運営 株式会社エニグモ 代表取締役　最高経営責任者 須田 将啓　 (2013年5月取材)

プライベート

【須田】

今はアドベンチャーレースみたいなものにたまに出ているんですけど。年に1回ぐらい大自然の中で挑戦する、自分の限界に挑戦するレースに出たいと思っていて。去年はサハラ砂漠に出たんですけど、今年も普通の人はなかなか行かないような所で、自分の極限に触れるようなレースを探して出てみようと思っています。

1つは楽しいというのが純粋にありますし、幅が広がるというのもありますよね。自分の中の物差しのスケールが大きくなるというのが分かります。なかなか日本にいて40年ぐらい生きていると、そんな楽しいことというのは減ってくるじゃないですか。パチンコで大当たりしてもまあまあ分かるみたいな、もうやらないですけど。そういう中でビジネスが成功した時は、滅茶苦茶うれしいですけど、それに近いような楽しさが、ゴールした時の達成感ってありますから、それが純粋に楽しいですね。

今一番、自分の感覚に近いなと思っているのが、自分に嘘をつかないということだと思っていて。物事をやる時とかにこっちのほうがいいんだけど、ちょっと大変そうだなみたいな時とか、自分に軽く言い訳して、自分を正当化してやらなかったりすることってあると思うんですけど。それってやっぱり自分を正当化しているけど、実は自分に嘘をついていると思っていて。自分が一番知っているはずなので、自分の根本の声とか、そういうものに準じるというのがすごく重要だと思っています。

その前は、迷った時は自分にとって困難な道を選ぶというのを自分の指針にしてたんですけど、それって要するに自分が正しいと思っていることを選ぶことなのかなと思って。自分にとって正しいことは、結構困難なことが多いと思うんですよね。それを嘘ついたりとか、自分を正当化するということが度々あって、動けないとか、選ばないとか、楽な道を選んでしまうとか、惰性に流されるとか、そういうことが結構多くて。

その1個1個の積み重ねが今だと思っているので、1個1個をおろそかにしないというのはすごく大事だと思っていまして。その時に自分に嘘偽りなく正しいと思った道を、どんなに困難でも選ぶということが、すごく大事だなと思うに至っているという感じですね。

それとちょっと近いかもしれないんですけど、ささいな違和感をおろそかにしないというのも、すごくこだわっていることで。経営していたりすると、ちょっと流れが変わったりとか、何かちょっと変だなと思うこととか色々出くわすんですけど。そういうことをおろそかにすると、いつの間にか大きな問題になって、1年後ぐらいに吹き出したりということが、結構あるんですけども。

その時に何でなんだろうというところ、自分が納得いくまで追求すると、実はそこに大きな根本的な問題が隠れていたりして。それはその時に対応すれば、そんなにそのあと大きな問題にならずに済むことが結構あるんですね。ちょっと自分が違和感を感じたことというのは、自分にとっての警告みたいな、メッセージだと捉えて。自分が100％理解して納得するまで追求するというのは、経営する上で非常に大事にしていることです。

漫画になってしまうんですけど、真田幸村という戦国武将がいて。それの学研か何かの歴史漫画が今振り返ると、自分の人格形成に一番影響したのではないかと思っています。その作品においての真田幸村は「男」という感じで、まず弱い者を助ける。豊臣と徳川が分かれて、誰が考えても徳川に時代の流れは行っているけども、弱くなってしまった豊臣に最後まで付いて徳川に対して戦っていく。強い者に戦っていく姿とか、それが単純に力だけではなく知力を使って、頭を使って戦略的に戦っていく姿とか。

あとは真田十勇士という信頼できる部下がいるんですけども、その部下との信頼関係。その部下が最終的に、最後の最後の時にもう自由にしてくれと、ここまでよく付き合ってくれたということで、最後お別れをするんですけど。そこの最後の最後で、そういう感謝の気持ちを述べて部下を自由にしてあげる姿。にもかかわらず、最後の最後まで真田幸村を助けるみたいな部下のシーンとか、最後は潔く死んでいくシーンとか。

実際にビジネスをやる上では良くない部分もあるんですけど、その生き様としてそこに描かれている真田幸村というのは非常に男らしくて。自分の価値観、人格形成においては、あの真田幸村が1つ軸になっている気がします。