株式会社オールアバウト ~情報で社会システムに変革を。『All About』成功の裏側~

Vol.2 理系でリクルートを選択した真意

株式会社オールアバウト 代表取締役社長 江幡 哲也 (2017年7月取材)

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―理系でリクルートを選択した真意―

【江幡】

父はものづくりを支えているメーカーの人です。でもものづくりの構造は、今後かなり変わっていく厳しい産業であるとすごく彼は言っていて、メーカーに就職することをあまり快く思っていませんでした。僕は僕でコンピューターとか通信というのが世の中を変えると考えていて、メーカーよりは、それを使う方、活用して世の中を変えていくような産業や事業をやっていく方が面白いのではと思っていました。

大学3年の夏、85年の夏だったと思いますが、通信自由化されるというニュースが流れました。それまで電電公社さんが通信事業をやっていましたが、NTTに変わる、いろいろな企業が通信事業に参入ができるというすごくエキサイティングなニュースが、ちょうど僕が就職を考えだす頃に、世の中にパーッと流れたのです。

当時は理系の学生の就職は引く手あまたで、例えば友人はみんな就職活動なし。第1希望から第3希望までソニーとかIBMとか書いて、成績順に振り分けられる。もしくは研究室の先生がどこどこ企業から来ていらして、支援されているからそこに優秀な人材を送り込むとか。

どちらかというと通信とか情報系のところに興味があったので、リクルートという会社が通信事業に参入するというニュースを聞いて、なんでこんな会社がとすごい興味を持ちました。そもそも当時リクルートはそんなに大きな会社じゃないのでみんな知りません。(しかし)僕は(世の中は通信が重要になると)強く考えていて、ある種簡単な道を選ばずに(自分からリクルートを)選びました。

リクルートは通信に参入するので、理系の学生が欲しくてしょうがないわけです。たまたまバイトをしている友人がいたので、そんな話をしたら、リクルートはアルバイトがいっぱい活躍している会社なので、会社の方からも興味を持っていただいたみたいで、一回遊びに来いよということで行きました。(すると)ほぼ1日でポンポンと面接を何個かして、かなり早い時期に(就職が)決まりました。

僕の希望は通信事業の立ち上げでしたので、リクルートが参入しようとしている通信事業に配属されなかったら困るわけですけど、大変幸せなことに、その中核の部署に配属されました。世の中的にも通信は初めての事業ですから、先輩に知見もなければ、新人と先輩の差がないわけです。しかも「お前は電気工学科を出てるんだよね、絶対自分たちより知っているはずだから」と言われてよく営業に駆り出され、先月入ったばかりなのに「うちの技術のリーダーです」と。すごいプレッシャーでしたけど、それにこたえられるようにとにかく努力をするしかない。

ただ幸いなことに、NTTからもご出向いただいて、トップの技術者の方に何人か来ていただいていたので、その方の直属の部下にもなれました。リクルートの文化と、世の中のエンジニアのトップの方々に教わる機会と両方を得ることができて、すごく幸せな1年目2年目でした。

1年目にかなりお仕事で成果を出させていただいて、評価もされて、好きなことをやらせてもらえました。事業を立ち上げたいというのはずっと言い続けていて、2年目の後半くらいから事業開発のセクションを兼務するようになったのです。

そこではすでに次の事業のアイディアをいくつかやっていました。私がゼロから作ったわけではないですが、入ったプロジェクトで立ち上げた事業がファックスネットワーク事業でした。これはすごいシンプルなんですが、予め私どものセンターに登録した何万件もの宛先からある条件で抽出をした先に、1か所にファックスを送る手間と時間だけでいっぺんにどんと送れて、しかもNTTで送るよりも半分くらいの値段で送れるという(サービス)。

3年目にその事業をスタートするとき、私は検討段階でもエンジニアだったので、当然エンジニアとしてその事業部に行くと思っていたら、いきなり営業に配属になったのです。ただよく考えてみれば、自分が作るプロセスを体験している事業ですし、売っているものは通信の事業ですから、エンジニアには知識的に強みがあるということに気付きました。やはり他の営業マンと同じことをやるのではなくて、お客様に対して自分の持っている強みで営業していこうと。前向きなのでそのように変わりまして、そこから営業を6年半から7年くらいやりました。たぶん今の僕が持っているビジネススキルを100だとしたら、スキルの半分はその時代にできたと思います。すごく良かったです。幸せでしたね。

社長プロフィール

President's profile
氏名 江幡 哲也
役職 代表取締役社長
生年月日 1965/1/1

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