株式会社ワークスアプリケーションズ ~企業の生産性向上を目指すワークスの新たな一手~

Vol.2 上場廃止の決断に至った真意

株式会社ワークスアプリケーションズ 代表取締役最高経営責任者 牧野 正幸 (2017年11月取材)

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―上場廃止の決断に至った真意―

【ナレーター】

起業から5年後の2001年に上場を果たし、順調に売上を伸ばす中で上場企業ならではのあるジレンマに悩まされることとなる。

【牧野】

投資家が求めているのは企業の利益成長率です。短期の収益状況に関して非常に反応が敏感ですから、どうしても短期利益志向になりがちです。そうするとその利益を守るときには2つの方法があって、売り上げをとにかく伸ばすという方法が1つあります。また、売り上げが万が一伸びない可能性だってあるわけです。特にBtoBの場合は予測が付きづらい。そうすると確実に利益を出そうと思うと、投資を上半期は押さえないと仕方がありません。

ところが当社の場合は、最も大きな投資が人材投資です。人材投資というのは、投資をしてから採用が始まるまでにはすごい時間がかかります。上半期の時点や下半期の時点という短期のレンジで人は採れないんですよね。翌期も読めていない状況で、それほど頑張って利益があるからと投資するべきではないのではないかと、今度はブレーキがかかってしまう。売り上げというのは当然一定程度伸びていくと、人が足らなくなるとそれ以上伸ばせなくなりますから。これが上場によるマイナス効果です。

結果的に上場したあと売上高は10年間伸び続けましたけど、ただし伸び率はどんどん落ちていくわけです。それに対するジレンマがあり、我々の中で解決方法が完全にわからなくなっていました。マーケットはある、グローバルでの競争相手はどんどん投資をし続けている。しかし我々はどうしても日本で上場している限り、株主の方々との約束を守らなければならないので、利益重視でやってしまった結果、成長率がどんどん鈍化していくということになってしまったのです。

【ナレーター】

株主の期待に応えるために利益重視の経営となり、製品開発において不可欠な投資ができない。このジレンマから脱却するために取った選択とは。

【牧野】

1つはまず、株主に十分に説明をして、思い切ってもうやってしまうと。「3年間は場合によって赤字になるかもしれません。しかしながら、3年後以降には伸ばせる自信があります」しか言えないですよね。「3年後に絶対伸びます」とは当然言えません。「しかしこの投資は必要不可欠だからやりたいんだ」というふうに説明をして、当然そうなると株価が非常に下がるリスクがあるわけですけども、「とにかく3年間、4年間我慢して持ってください」というように、理解が得られないとしても実行していくという勇気ですよね。

一方で、もう1つの方法としては、一旦株式市場から撤退して、要は自分たちで自社株買いなり、MBOなりをして、自分たちで全部の株式をもってそのリスクを自分たちだけで背負うというやり方があると思いました。当時でいえば後者の方である、今現在の株式価値で全部の株をプラスアルファのプレミアムをつけて買い取る。これによって株主にできるだけ損失を与えないような形で株式市場から撤退をして、その上で投資をどんどん行って、十分な利益成長が確保できるような状況になるタイミングで再上場していくという方法がとれるかなと思ったので、それを選択しました。

社長プロフィール

President's profile
氏名 牧野 正幸
役職 代表取締役最高経営責任者
生年月日 1963/2/5
出身地 兵庫県
座右の銘 「問題解決こそが仕事」

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