Vol.2 ビジョン
ビジョン(経営理念について、新規事業について、海外展開について)
【中西】
うちの場合は社訓、それから経営理念、それから行動理念という3つの項目で作っているのですが、経営理念の話をすると、仲間、正直、シンプルということを言っていますが、このことに込められたものというと、仲間というのは、お客さんだけが仲間だとか、取引先が仲間だとかいう意味ではなくて、会社というのは全てが同じような段階で、仲間としてやっていけることが、一番素晴らしいことじゃないかということで、まず一番に仲間という言葉を出させてもらっていると。
その仲間とうまくやっていくために、どうなのかというと、その根底にあるものは何かというと、やっぱり正直さだろうと思う。だから我々店でやっている者も、バーゲンはしませんとか、社員販売はやりませんということを言っているのですが、これは何なのかというと、変な話、バーゲンをやるとかもありますけれど、社員販売一つとってみても、結局社員だから例えば3割引で買えますというのは、極論を言ったら、社員はそれによって給料をもらっていますので、これはお客さんにも、全部正直にやろうということで、全て同じような考え方でやっているという意味で、仲間を大切にするという根底の考え方は、正直なところになるんだろうということ。
それから物事というのは、複雑にすることによって、色々と付加価値を付けたりとか、色々なことを言っていますけれども、僕はやっぱりそれもお客さんに対してとか、色々な対、人に対してというのは、全てシンプルにみんなから分かりやすい言葉で、分かりやすく述べることが、全てシンプルにみんなから分かりやすい言葉で、分かりやすく述べることが、僕は一番大切なことじゃないかなということで、経営理念としてはそう言っていますけれども。
もう一つ大切にしていることでいったら、行動理念で、笑顔、感謝、清掃、整頓ということを言っていまして、俗に言われていますけれども、やっぱり笑顔というかね、顔はいつも前園さん(インタビュアー)のように、にこやかな顔をなさるというのは一番重要なので、やっぱり我々もこういうニコちゃんバッチを付けているというのも、顔はちょっと不細工でもこれを見るとニコッとするように、笑顔であろうよと。
物事というのは捉えようによって、いろいろと腹が立ったり、怒ったりすることがあるのですが、本当にありがたいなという気持ちになると、それこそ感謝という言葉が全て重要なことなので、常日頃、行動としては感謝をしようよと。そうすると、怒ることもないし、憎むこともないだろうと。
それから清掃・整頓というのは、これも全てに通ずるところであって、仕事をやる上においても、人間として生きていく上においても、やっぱり清掃・整頓を常に行うことによって、物事がスムーズに行くということで、経営理念と共に、その行動理念ということも大切に、だから毎日うちの朝礼、あるいは店での朝礼は、今の社訓、経営理念、行動理念、これを全員で唱和しているというのは、うちの一番良いところでもあり、大切にしていることではないかと思っています。
【中西】
うちの方も、今ちょうど38期を迎えているのですが、今のところスーツを軸にということで、仕事をやっているのですが、その以前はけっこう色々なことを、ある時は北山通りという一つの街づくりを共にやっていこうということで、一つの通りの中で色々な事業を手がけた時期もありますので、そういう経験を得た上で、やっぱり一つのものに特化していかないと、これからはやっていけないということ。
その一つのものにこだわるというところで出てきたのが、僕自身もテーラーから出ているので、スーツに関しては生地を見ただけで、どんな服になるかとか、縫製はどうだとか、型紙はどうとかいうのが全て分かりますので、そこのところに今集中させて、おかげ様でやらせていただいているのですが、スーツにおいても、やり方仕方とか、あるいはスタイリングも含めて、いろいろなことというのは、時代と共に変わりますので、スーツを軸にしながら、いわゆる新規のブランドであったり事業として、どう取り組むのかというのが、今の大きい大きいテーマでして、そういう面で具体的に申し上げると、来年くらいには、今色々なことをみんなで構築している段階でして、来年の秋をめがけて、新規事業を立ち上げる予定で、今は深く深く潜行しております。
【中西】
よく言われているのが、日本の市場が、人口減もあって、パイは大きくならないから、海外に出て行かなかったら、もう次の新しいとか、市場の拡大とか、売り上げの拡大を望めないとかいうことは、俗に言われているのですが。
そういうことではなくして、僕はこのスーツの事業において、いつも思っているのは、完成度合いとか、そういうものについては、ヨーロッパ、具体的に言ったら、イタリアを中心に素晴らしいものを持っていると思うのですが。
日本人というのはそういう意味においては、そういうエッセンスを得ながら、独特のディレクションができるとか、プロデュースできるという能力が非常に高いと思っていますので、そういう面からすると、やっぱりこれからの、今の既存事業も、あるいは新規事業についても、海外で成功しないようなものは日本でも成功しないし、あるいは、日本で成功するものは、海外でも成功する可能性というのは十二分にあるので、そういう面で、海外とか国内とか、そういう垣根は、恐らく僕が10年20年経った時代は、そんなこともなくなって、全てグローバルにものを考えられる時代に入っていくというのは、当然の流れではないかなと。
そのためにも、今のところで言うと、海外に対する、いろいろとリサーチであるとか、語学も含めてそういうことをこなしていかないと、やっていけないのではないかと思っているので、海外展開をどうしてもやるために、何かやるよりも、海外展開ができないようなものは日本でも成功しないし、それはまた、日本で成功するものは海外でも成功するだろうというように思っているのです。
経営者プロフィール
氏名 | 中西 浩一 |
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役職 | 取締役相談役 |
生年月日 | 1946年9月15日 |
座右の銘 | 知行合一 |
尊敬する人物 | 船井 幸雄 氏 |
会社概要
社名 | 株式会社オンリー |
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本社所在地 | 京都府京都市下京区松原通烏丸西入ル玉津島町303番地 |
設立 | 1976 |
業種分類 | 小売業 |
代表者名 |
中西 浩一
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従業員数 | 連結222名 単体151名(2023年8月末時点) |
WEBサイト | http://www.only.co.jp/ |
事業概要 | 紳士服及び関連商品のS.P.A.(製造小売)として衣料品の企画、生産(外部委託)ならびに販売を主たる事業とする。主な取扱品目は、スーツ及びシャツ・ネクタイであり、スーツについてはプレタポルテ(既製服)に加えてオーダースーツの販売を行う。店舗は全国主要都市に展開。 |