ラクスル株式会社 ~6兆円市場に変革をもたらした「ラクスル」快進撃の裏側~

Vol.4 ラクスルの誕生と事業モデルの転換

ラクスル株式会社 代表取締役社長CEO 松本 恭攝 (2015年12月取材)

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―ラクスルの誕生と事業モデルの転換―

【聞き手】

企業を、経営という観点からご覧になっている中で、今の『ラクスル』というサービスにつながるような部分は、実際やっている中で感じておられたのですか。

【松本】

そうですね、入社したのは2008年で、サブプライム問題や、リーマンショックが起きた年なんです。

【聞き手】

日本でも世界でも、とても大きな経済恐慌となりました。

【松本】

そうですね。当時大きな企業はキャッシュをためようというところで、キャッシュ・イズ・キングとずっと言われ続け、いかに間接費、直接費を含めコストを下げるかということへの取り組みが多くなっていたのです。たまたま在籍していた会社が非常にコスト削減に強い会社で、コスト削減のプロジェクトが結構あって、それに参画させていただく機会が何度かあったのです。その時にいろいろな販管費、物流コストやシステム開発メンテナンスやプロモーションなどいろいろなコスト、通信費やあらゆる企業の間接費、支出、原価以外の支出を見る中で、私が経験した中では印刷が削減率の高いコストで、一番非効率だと気付きました。

とても非効率なBtoBの市場で、マーケットが6兆円と非常に大きい。上位2社の凸版印刷・大日本印刷で売り上げ3兆円、印刷部分だけ合わせても約2兆円あるような巨大な会社があって、印刷会社が当時3万社ある。非常に巨大で、非効率で、上に2強があって、その他たくさんといういびつな形をしているうえに、テクノロジーが入っていない。こういう会社、業界だからこそインターネットを使うことによって業界の構造を変えられるのではないかと思ったのが印刷を始めたきっかけです。前職のプロジェクトの中で、そういう業界を見つけましたね。

最初は、ネットで印刷を提供している会社の価格をエクセルで集めて、ベストプライスでオファーするというようなものを考えていました。

【聞き手】

いわゆる、『価格.com』の印刷バージョンということですよね。

【松本】

そうです。ベストプライスで提供して、我々がアグリゲーターというわけではないですが、そこで決済を持っている。後ろにたくさん印刷会社がいて、ラクスルに頼めば手数料はかかるけど、最もコストが安くて品質が良いものを提供しますよ、という形のビジネスを始めようと思ったのが最初かもしれないですね。

【聞き手】

しかし今の『ラクスル』というサービスは、そこにとどまらないというか、少し形が変わっているように思うのですが。

【松本】

2年半ほどその事業をやっていて、サービスとしてはアクセスもたくさん集まり、大きくなっていたんです。しかし、マッチングしたときに、例えばユーザーさんから、使ってみたけどこの会社はひどいという声が上がるようになりました。最初は数社から始まったのですが、最終的には比較サイト・見積もりサイト全部で千何百社くらいのサービスになっていました。見つけたけれどこの印刷会社さんはひどかった、対応がひどかったとか、ラクスルさんから来たお客様が最後は踏み倒してお金を払ってくれなかっただとか、単純なマッチングにしてしまうとそのクオリティコントロールができなくて、サービスレベル、サービスクオリティが担保できなくなってきたのです。

単純なマーケットプレイス、決済を持たないマーケットプレイスだとクオリティの担保に限界があるので、我々がしっかりクオリティをコントロールしてお客様に満足していただける、印刷会社さんにとっても安心してご利用いただけるサービスにしようと。マーケットプレイスのモデルからEコマースのモデルに変えて、我々が、決済を持つし、品質の保証もするし、支払いの保証も印刷会社さんにするというモデルに変えていったのが2年半前です。それもお客様、印刷会社さんからの要請があってサービスを変えていったという状況ですね。

社長プロフィール

President's profile
氏名 松本 恭攝
役職 代表取締役社長CEO

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