山本化学工業株式会社 ~ウェットスーツ素材で世界シェア70%。日本初の機能性に優れたウェットスーツを開発~

Vol.5 超オーバースペックの商品開発と次の挑戦

山本化学工業株式会社 代表取締役社長 山本 富造 (2016年1月取材)

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―超オーバースペックの商品開発と次の挑戦―

【聞き手】

ウェットスーツやスイムウェアは、御社の専売特許といいますか、御社は非常に高い技術をお持ちで、それこそオリンピックに出るようなトップアスリートが着用したいと望むような、そういうものをつくっておられます。もともと、そうしたスイムウェアをターゲットにされていたのでしょうか?

【山本】

いえ、もっと速く泳げるスイムウェアはできないかという要望があって、じゃあつくりましょうという感じです。どちらかと言えば。

【聞き手】

何かきっかけがあったのでしょうか?

【山本】

トライアスロン用のウェットスーツの素材が、速く泳げるんですね。その水着版ができないかというのが、水着をつくった最初のきっかけなんですよ。

我々としては、開発する限りは他の追随を許さないものをつくりたい。「超オーバースペック」というのが、うちのスタンダードなので。そうでないものをつくっていれば、うちも大企業になれるかもしれません。このくらいの中間クラス、そのまた中間のクラス、その下のクラスというふうにつくれば、3回売れますから。ですが、資本の小さな中小企業で、開発を繰り返しながらステップアップしていくというのは、費用もかかるし、在庫負担も多い。それは面倒なので、一発で超オーバースペックをつくって、それをロングラン商品にしようというわけです。今も「そこまでスペックを上げないでいいんじゃないの」と言われるものしかつくりません。それが我々の会社のコンセプトです。

【聞き手】

トップアスリートが使うスイムウェアを開発していく一方で、その分野にとどまらず、今度は医療分野に進出しておられます。具体的にはどのようなものでしょうか?

【山本】

今までメインでやってきたのは、血栓予防ですね。日本人の死因の2位は、実は心臓病です。1位は癌だと皆さんが知っていますから、そちらにばかり注目するんですが、これだけ平均年齢が上がってくると、血栓によって命を落とす方も相当数いらっしゃるんですね。それで、血栓ができるのはどこかというと、足の表からくるぶしにかけてです。ほとんどが足なんですね。心臓あたりと思っている方が大半ですが、足なんですよ。

【聞き手】

私も心臓かと思っていました。

【山本】

それで、年齢を重ねるごとに心筋が弱ってきて、心臓のポンプの勢いが弱くなってくる。それで足がむくむ。これが血栓の一番の原因です。そこで我々は、まず血栓を予防するとか、足のむくみを取って心臓の負担を軽減するというところから入りました。現在は第2ステップとして、体温を上げるものをやっています。これがあまりないんですね。体温を上げる機器も、体温を上げる薬も。

台湾とかアメリカではFDAとかDLTとか取ったんですが、日本だけはスタンダードが古いので、今はまだネゴ中ですけど。体温を上げるメリットとしては、免疫力を上げるというのがひとつ。もうひとつ、体温を上げると、今まで飲んでいた薬がすごく効くとか、癌を抑制する遺伝子を活性化するとか、そういうデータのエビデンスはしっかり私たちも持っています。体温を上げることがなかなかできない。温めることはできても、それでは体温が上がらないんですよ。 例えば、皆さんが体温を上げようと思って、お風呂に30分入ったとします。そうしたらたらどうなるかというと、汗ばかり出て、脱水症状が起きるんですよ。つまり、熱を加えて体温を上げることはできないのです。

たしかに、一瞬は上がります。ですが、恒常性ホメオスタシスいうのがあって、自律神経の働きで体がバランスを取ろうとします。体温が上がりすぎると下げようとするし、逆も起こります。体温が下がりすぎると震えるでしょう? あれは体を震わせて、運動させているんです。自律神経の働きで。その反対で、加熱する場合も自律神経が働くので、体温を上げることができません。今、我々が取り組んでいるのは、特殊な素材を使い、体温に近いレベルの赤外線を放射して、体を温めるというものです。そうすると、自律神経を働かせずに、体温を上げることができ、その効果は絶大です。いくつか製薬屋さんともそういう話をしていて、あちらがつくる新薬も我々のものとセットにすれば、抜群の効果を発揮するはずです。

社長プロフィール

President's profile
氏名 山本 富造
役職 代表取締役社長

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