ショウワノート株式会社 『ジャポニカ学習帳』でお馴染み。1970年の販売以来、累計販売数は12億冊以上 ショウワノート株式会社 代表取締役会長 片岸 茂　 (2015年4月取材)

―成功の秘訣―

【片岸】

創業者からはじまって私は5代目になります。三代目の方がとても気配りを大事にする方だったものですから、私も自分でできるように頑張りましたけれども特にお客様をおもてなしをする時は、我々は中小企業ですから大企業には絶対勝てない訳ですからね。どれだけの気配りがやっぱりできるかというのが、お金ではないところでできるものですから。

例えばお客様の接待をする時は家を出てからお帰りになるまでというところを気にしながら、電車に乗る時は、朝刊とお飲み物を用意して差し上げたり、ゴルフの時は、マーカーでゴルフボール、巾着、オリジナルの物を作って持っていくですとか。宴会の席はその方の好きなビールの銘柄をひとりずつ違わして置いておく。煙草も全部調べ上げて置いておく。着る物も寸法等々も調べ上げて置いておくみたいな事をまぁ教わってきてやってきましたから、そこは他の方々とは人より違ったのではないでしょうかね。そういった事が我々の会社の伝統みたいになってましたから。それを我々が受け継いできていく事によって、我々は大事にしていただいたってのはあると思いますね。先日も妖怪の関係の方々を富山にお招きしたんですが、宴会の時の箸袋ですとかビールは妖怪ビールを作ったり。

【聞き手】

すごいですね。

【片岸】

ありがとうございます。妖怪の箸袋をオリジナルで全部作ったんですよ。

【聞き手】

むしろ商品になっちゃうんですかね。

【片岸】

例えばその舟盛には妖怪のいろんな物が差してあったりするんですよ。もったいなくてみんな食べられない。

【聞き手】

皆さん写真撮られますよね。

【片岸】

ええ。ビールも飲めないでお持ち帰りいただいたりするんですよ。

【聞き手】

これはもう私でも持って帰りたくなりますよ。

【片岸】

薩摩白波妖怪みたいなのがあったりして。

【聞き手】

それ凄いですね。楽しいですね。

【片岸】

会社に戻られてショウワノートこんな会社だったんだよ、とわりと皆さんファンになっていただける

【聞き手】

はい。気配りというより徹底的にこうお客様を気持ち良くさせる、喜んでもらうっていう精神ですね。

【片岸】

ですから部屋に入るとよく旅館行くと冷蔵庫ありますよね。

【聞き手】

はい。

【片岸】

あの冷蔵庫を全部入れ替えるんですよ。

【聞き手】

中身を。

【片岸】

お客様オリジナルの物にお店の人に言って。全部持って帰っていいんだけども、ポカリスエット、水、ビールはオリジナルに替えたりするんですよ。そうするとね。お風呂上がってね。ビックリするんですよ。

【聞き手】

かなりサプライズの、嬉しいですね。みんなそこまでされるんですね。そこが御社が選ばれるというか、そういうのが版権元さんもそうですし、お取引先もそうですし、後は売ろうと思われる小売店さんなんかもやっぱり御社の物を一生懸命売ろうと思われる御社のファンがたくさんいるという事ですね。