Vol.3 オフィスコーヒーサービス事業 参入の裏側
インタビュー内容
―オフィスコーヒーサービス事業 参入の裏側―
【大久保】
営業をやってもらっていた優秀な学生が就職をする時に当社に入社するように口説いて、営業の基盤を崩さないように残ってもらうということをしました。そうして働いてくれている従業員に夢を持ってもらうためにダイオーズがフランチャイザー(本部)になるような事業をやろうと掲げたのが大きなステップのきっかけでした。
私がアメリカにいた際に勤めていたスーパーマーケットの休憩室にコーヒーメーカーがありました。ある日、コーヒーを作ろうとした時にコーヒー豆が切れていたので店長に、スーパーの商品の中で、どのコーヒー豆を使ったら良いのかを尋ねました。
すると、あのコーヒーメーカーは業務用で、機械を貸してもらいメンテナンスをしていただく代わりに、そこの会社からコーヒー豆を買うという契約になっているのだから、他のコーヒー豆を使うわけにはいかない、と言われました。私はびっくりし、その時にオフィスコーヒーサービスのビジネスモデルを知り、おもしろい商売があるなと感心しました。
様々なビジネスを構想していく中で、やはり当社の基盤となっていたBtoBビジネス、継続性のあるもの、そして新しいニーズに合うビジネスを探しました。そうした中でコーヒーサービスが一致したため本格的に動き始め、海外インターンのときに培った人脈を使いオフィスコーヒーサービスで成功しているアメリカの企業に研修受け入れを申し出て新たなビジネス展開の一歩を踏み出しました。
まずはテストマーケティングとして直営の営業所を東京に2箇所作りました。
それからフランチャイズの営業所を2箇所作りました。この2箇所のフランチャイズは当社がダスキンの事業をやっている時の同じ業界の社長さん方が一緒にやろうと声をかけてくださったので一緒にやっていただきました。
もともと力のある企業が最初からフランチャイジーになっていただけたので事業は軌道に乗りやすかったです。
始めてから3年間は他社の参入企業はありませんでした。そのため、お客様に全く新しいものを勧めるのは大変でしたが、3年が過ぎた頃他社の参入も増え、そこからは他社とどのように差別化して競争を勝ち抜いていくかというように変わっていきました。
そこでダイオーズは日本で初めてオフィスコーヒーサービス専用のコーヒー豆焙煎工場を作ったり、プロモーションにおいてはイメージの差別化を行うために当時ファッション業界で有名だったパルコさんのデザイナーさんにコーヒーのパッケージを作っていただいたりしました。他にはテレビcmを流すお金はなかったので車の上に大きなカップを乗せて走るなど、様々な方法で差別化をはかりました。
競合他社が参入してくる中でも、そうしたことを通して更に顧客を増やしていきました。

経営者プロフィール

氏名 | 大久保 真一 |
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役職 | 元代表取締役社長 |
生年月日 | 1941年3月21日 |
会社概要
社名 | 株式会社ダイオーズ |
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本社所在地 | 東京都千代田区丸の内1-7-12 東京駅JRサピアタワー14階 |
設立 | 1969 |
業種分類 | サービス業 |
代表者名 |
大久保 真一
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従業員数 | 1,674名 |
WEBサイト | https://www.daiohs.com/ |
事業概要 | パイオニアとしての事業所向けコーヒーサービス事業、数種類のお茶やコーヒーやお水を1台のマシンで提供できるティーサービス事業、世界中で最も安全・安心な水「ピュアウォーター」をメインとしたボトルウォーターサービス事業、玄関マット・清掃モップ等、環境衛生商品の定期的な交換及び、サービスの提供を行うクリーンケア事業、熟練された技術を持ったFCオーナー自らが定期清掃サービスを提供するダイオーズカバーオール事業 |