株式会社中村超硬 ~成長の裏に匠の執念あり!世界に誇る、革新的技術の秘密~

“ダイヤモンド”がもたらした成長と変化

株式会社中村超硬 代表取締役社長 井上 誠 (2016年7月取材)

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―“ダイヤモンド”がもたらした成長と変化―

【井上】

最初に取り組んだのは、超精密加工です。ダイヤモンド工具は、まさに物を削るための工具なのですが、これはダイヤモンドノズルの加工技術の延長線上にダイヤモンド工具があり、高速で回転して物を削る、金型を加工したりするために非常に有効な技術で、ここからスタートしました。これは従来にないモノづくりのパフォーマンスを実現することが出来ました。

その次に成果が出始めたのが、ダイヤモンドワイヤなのです。我々の研究開発の基本的な取組みは、ダイヤモンドにこだわること。中村超硬は超硬合金でしたから超固いものにこだわろうと。硬いものの最も硬いものというのはダイヤモンドである。ダイヤモンドによって成長させてもらったのだからダイヤモンドにこだわろうということで、ダイヤモンド応用技術での研究開発、その一つがナノレベルの加工、金型加工技術です。

そしてもう一つが、単結晶ダイヤモンドの応用技術で、これを何か我々としてアプローチするものがないかという時に、ダイヤモンドワイヤというものの必要性が世の中で叫ばれておりました。電子材料というのは例えば半導体に使われるようなシリコンや、LEDなどに使われるサファイア、もしくはパールデバイスに使われるようなガリウムナイトライドとかいろいろなものがあり、こういった電子材料を薄くすることの産業界の共通したニーズがありましたが、しかしながらまだ当時はダイヤモンドワイヤがそんなに普及していなかった。我々はダイヤモンドワイヤにおいてはかなり後発なのですが、幸いにしてまだ世の中にものすごく大量に供給されているという状況ではなかったのです。ダイヤモンドワイヤがやはり非常に高価であるということが普及していない1つの原因であったため、我々はまずはダイヤモンドワイヤを安く作るにはどうすればいいのだろうかと考え、結果的には早く作る技術を開発することが一番効果的だと、ダイヤモンドワイヤの高速生産システムの開発にチャレンジすることに決めました。なおかつこれに対して、産学官連携、つまり大学や行政の施策を活用させていただいて、予算とかネットワークを構築して開発を始めることになりました。そして数年経ったところで、何とか使えるんじゃないかという状況まで来るのですが、しかしその時にリーマンショックが訪れました。リーマンショックが訪れたことによって、我々の従来事業にあたるダイヤモンドノズルに代表されるような携帯電話とかパソコンとかいろいろなモノづくりが急激にクラッシュしたり、海外に逃げていったりと、家電業界が大きな転換点を迎えました。以前のダイヤモンドノズルのときには希望退職を募らなければいけませんでした。その時は次なる手立てがなかったので会社を守るためにそうしたのですが、今回は、ダイヤモンドワイヤが製品として使える可能性があるが、しかしダイヤモンドワイヤを単に売るだけだったらそんなに人はたくさん雇用できない、そこで、まずは自分たちでダイヤモンドワイヤを使ってウエハを作るという事業からスタートしようと会社の中で議論し、決定しました。当時は太陽電池のウエハ作りをダイヤモンドワイヤで行っているメーカーは世界中にありませんでした。我々は人数は増えてもやはりモノづくりのエキスパート集団だと思っておりますので、彼らの匠の技によって非常に短期的にこの事業が立ち上がることになりました。そのスライスというウエハを作る事業で社業が黒字に転換し、雇用を守れたことは、これは幸運というよりも、会社の経営陣と従業員の一緒になった挑戦の成功のおかげだと思います。

我々は自分たちの事情によって、そういう順番で、スライスという事業からマーケットインし、その後にダイヤモンドワイヤを販売することが今の主力事業になり、これが強みになっています。ダイヤモンドワイヤを生産し販売するというのが一般的事業形態である中で、スライスという事業を持ちながらダイヤモンドワイヤの販売をするため、ユーザー目線に立った顧客サポートができることが、新規参入のダイヤモンドワイヤーユーザーが、今も世の中にどんどん出現していっている中、非常に強みのある営業戦略を展開できるという我々の独特の事業モデルにつながっているわけです。

社長プロフィール

President's profile
氏名 井上 誠
役職 代表取締役社長
生年月日 1954/5/11

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