株式会社中村超硬 ~成長の裏に匠の執念あり!世界に誇る、革新的技術の秘密~

Vol.4 組織づくりの失敗と再改革の軌跡

株式会社中村超硬 代表取締役社長 井上 誠 (2016年7月取材)

[もっとみる]

―組織づくりの失敗と再改革の軌跡―

【井上】

モノづくり会社の成長速度を超えた事業の急拡大がありましたので、やはり組織力としてついてこないという面がありました。そのため外部から人材を登用して、大手企業の管理職をされた方など、新たな人材を会社に招き入れたりしたのですが、結果として貼り付け型の人事になってしまいました。その後のITバブルの崩壊が2001年頃。そのときに、やはり組織がうまく機能しませんでした。組織づくりの失敗ですね。結果的に言うと非常に痛い、苦い経験として、100名余りの組織の中で30名近い希望退職を募るという苦い経験をすることにつながってしまいました。

組織づくりの失敗ということと、あまりに一つの事業に懸けすぎて、場合によっては無謀な経営資源の投入があったという大きな反省に出会うことになりました。やはり何かピンチが訪れたときには、それにどう対処するかということを経営トップをはじめ管理職、末端まで同じ方向を向かないといけないと思うのですが、結果として解決策が、私が考えているものと管理職が考えているものとの方向性がうまく合わせきれていなかったのです。そうすると、末端までもが影響されてしまいます。大きなピンチを乗り切るには、不十分な組織であったということで、希望退職という手段を取らなければならない結果につながりました。やはりスピードだと思います。スピード感を持って改革がなされていたならば、ひょっとしたら希望退職ということを経験せずに済んだかもしれないと思います。

その組織づくりの失敗の結果、会社を一度リセットしようということになりました。組織をつくり変えて、本当に現場主義的な組織で、中から人が育っていくようなことをしっかりと見据えてやっていこうと。過去の失敗でいうと、何か事業が成長するとしても、あまりにも一つの事業に頼りすぎると、どういう痛手につながるかということを経験しました。ではこれからやるべきことは何かと言えば、事業としていくつかのバランスを取れるような構造を目指してやっていかなくてはいけません。今まではダイヤモンドノズルという非常にラッキーな出来事が、我々が獲りにいったわけでもなく、そういう幸運が訪れました。ITバブル崩壊から事業としては立ち直って、売り上げは拡大していく途中ではあったのですが、今度は自分たちの力で成長事業分野を見据えて、その中で自分たちが事業を起こすための努力をしようという方針転換を始めたのが2004年頃。今から12年前です。

では、そのために何をするか。ダイヤモンドノズルではダイヤモンドの加工技術がベースになったように、何か自分たちのコアの技術、競争力になるような技術開発をするための研究を始めようとなりました。幸いにして、開発を行なうための能力を持った者も数名おりました。その人たちを中心に、これから次の世代に送るための事業を新たに獲得しなければならない。そのためのベースの技術として何を求めていくのかを議論した結果、今のダイヤモンドワイヤにつながる技術や、マイクロリアクターやゼオライトという医療関係、もしくは環境関係といったこれから成長していくであろう分野につながるような基礎的な研究開発を、12年前からスタートしました。

組織で言えば、中から人が育っていくような形にリセットし、開発をすることによって次の世代への事業を起こしていくための努力をしようと、結果としては成功した事例ばかりではないですけれども、産学連携をかなり活用させていただきました。もしくは産学官ですね。中小企業には非常に手厚く色々な行政施策が用意されていますので、これも活用させていただこうと。そういったことに踏み出していくことになりました。

社長プロフィール

President's profile
氏名 井上 誠
役職 代表取締役社長
生年月日 1954年5月11日

あなたにおすすめのコンテンツ

この社長に応援メッセージを送る
この社長に直接提案