株式会社シグマ 交換レンズ世界トップクラス!シグマがこだわる“究極”のものづくりとは 株式会社シグマ 代表取締役社長 山木 和人  (2016年6月取材)

Vol.4 国内生産に強くこだわる理由とその背景

インタビュー内容

-国内生産に強くこだわる理由とその背景-

【山木】

「Made in Japan」にこだわるということのベースとしては、家族経営、同族経営、未上場である、という条件があると思います。先程お話しした、80年代のプラザ合意、90年代の超円高、そしてリーマン・ショックなどの契機で、日本のカメラメーカー、日本の産業全体が、海外への生産シフトを進めました。当社もその度に、全く容易なく、もう「Made in Japan」しかない、国内生産だというふうに、ずっと確信していたわけではないです。その度に、本当に大丈夫だろうか、と迷う時期はあったのですが、当社の場合は、期間の売上や利益を最大化することよりも、いかに事業を継続するかということのほうが、常に経営の最初のプライオリティにありました。これは当社だけに限らず、家族経営をしている小規模な会社では、このような傾向が強いと思います。

日本だけでものづくりをせずに、海外でもつくることで、両方の雇用が維持できれば問題はないと思います。しかし、生産コストが安い方に生産の主力が流れていって、国内工場は縮小させるというのが大抵のパターンになってきます。当社の場合、工場のメンバーを見ると、その一人一人の顔を思い浮かべると、ここを縮小するわけにはいかないと。特に、当社の工場は福島県の会津の磐梯町という小さな街ありまして、過疎化が進んでいる所なので工場が縮小、あるいは撤退するということは、地域経済に大きな影響を与えるためできません。まずは国内に留まって、雇用を維持するということを優先して、国内でできることは何なのかを考えて、自分たちの事業を変えていこうという発想でやってきたというのが、ベースにあると思います。

もう一つ言うと、当社がつくっているような一眼カメラや交換レンズというのは、何百ものパーツを精緻に加工して、精緻に組み上げて、一つの製品にするという、すり合わせ技術と呼ばれる製品です。こういったものは日本人が得意とする分野です。なので、当社がたまたま今やらせてもらっているカメラや交換レンズが、様態がとくに日本人の高い生産技術、加工技術にあっており、そこが合致している限りは国内に留まっていても、いいものづくりができますし、むしろ海外生産よりもアドバンテージがとれるというような技術的な判断もあって、国内生産にこだわることに決めたのが経緯です。

もちろん、国内生産を続けるには色々な条件が必要で、当社だけが頑張ろうとしても、外部要件がそれを許さないということがないとは言い切れないと思います。為替の状況や、少子高齢化の問題、サプライヤーさんの数、技術レベルなどの問題もあると思うのですが、それが許容範囲に収まっているのであれば、国内生産にこだわり、また当社のコントロールできる範囲であれば、雇用を維持するということをとにかくやっていきたいです。また、私が経営している間はそのように判断していきたいと思っています。


経営者プロフィール

氏名 山木 和人
役職 代表取締役社長

会社概要

社名 株式会社シグマ
本社所在地 神奈川県川崎市麻生区栗木2-8-15
設立 1961
業種分類 精密機器
代表者名 山木 和人
従業員数 1786 名
WEBサイト https://www.sigma-photo.co.jp/
事業概要 デジタル一眼レフカメラ及びコンパクトデジタルカメラ、 一眼レフカメラ用交換レンズ、その他光学機器の製造、販売
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