シンプレクス株式会社 ~世界に認められたFintech企業、その強さの秘密とは~

Vol.3 シンプレクス 誕生秘話

シンプレクス株式会社 代表取締役社長 金子 英樹 (2016年9月取材)

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―シンプレクス 誕生秘話―

【金子】

それまで自分に色々なノウハウを教えてくれた先輩の外人達が一気に抜けてしまって、自分が責任者になりました。業界を見渡した時に、この人達を連れて来たいなという、もう1回オールスターチームを統計アジアパシフィックのマーケットでつくりたいなと思った時に、結果として白羽の矢を立てた人達というのは元アクセンチュアの出身で、僕の同期や、モルガンスタンレーで活躍しているとか、ゴールドマンサックスで活躍しているとか、リーマンブラザーズで活躍しているとか、そういう人間を集めて来て2年間やりました。

いよいよもう1回、僕があとでジョインした外人達の、本当にドリームチームと社内でも言われていたのですが、それが1回抜けて再生させようと僕が責任者で2年やって、結果最高のチームができました。やはり自分なりに確信をするところは、統計のマーケットで戦っていても思うし、同じ金融機関の中で東京、ニューヨーク、ロンドンは協力しながら競争しているので、ニューヨークやロンドンを見た時に負けないという自信がつきました。

個人的な感覚で言うと、自分達のチームが本当にナンバーワンのチームになったのだということを証明してみたいと。それが1つの金融機関の中にいたら守られた存在ですけど、外に出ても他の金融機関が僕らのノウハウを使いたいと言ってくれればそれは本当にナンバーワンの証明になるのではないかという、ある意味個人的な欲求が1つありましたね。

もう1つは、そういうことを提供するのは、最初はおそらく大手の金融機関になる。トレーディングは、資金運用の世界は、当時はソロモンブラザーズを筆頭に2000年代以降はゴールドマンサックスがトップを取りましたが、そういう金融機関と比べると日本の金融機関はどうしてもITのところも金融工学やトレーディングのところも、やはり2、3歩遅れていると言われていました。しかし、金融というキーワードもITテクノロジーというキーワードも、これからの日本のような資源の無い国からすると、多分1番メインにしていかなければならないビジネスドメインのうちの1つであることは間違い無いですが、この分野はたまたま自分が手掛けてきました。

そういうところに自分達が出て行って自分達のノウハウをベースに色々なサービスが提供できたら、もしかしたら日本の金融機関の底上げになるかもしれないし、金融とかITというドメインが二流と言われずに一流と言ってもらえるところに少しでも貢献できる余地があるじゃないか、社会的な意義があるのではないかということが個人的な欲求と合わせて2割くらいはありましたよね。

おそらく自分達がソロモンでつくっていたようなものを統合的にゼロから色々な最新のノウハウを使いながらつくるとすれば、最低2、3年はかかるだろうと思っていました。そこをスポンサーをとしてくれる企業を先に見つけなければいけない。今はフィンテック系の企業が今年中、15億円を調達したというような競争をしていますが、僕はそれが嫌でした。結局資本金を外から入れられてしまったら自分のシェアを奪われることになるから、本当に自信がある人は、それは最後の最後なのですよ。

1番初めに力に自信がある人達が何をするかと言えば、自分達の腕と、それまで自分が築いてきたビジネスパーソンとしてのレピュテーションを使って、良いディールとしてお客さんからお金をもらいながたらつくりたいものをつくる、これが1番初めだろうと思いました。僕らはそれを最初にやって、会社をつくって3ヶ月後にはワンショット20億円で2年間、ほぼ僕らがそれをつくるということをスポンサーとするよという、尚且つ著作権は全部あげるよというような、かなり僕らにとって有利なディールが1番最初の案件で成功したのです。これでもう2年間はゆっくりとものを、その会社向けのものではありますが、著作権は自分達のものにできるので、ある程度理想と思うべきものをつくるという時間的な余裕ができました。

あまり大きなビジネスモデルとかはありませんが、一般的なIT企業やシステム開発業界とかで行われていることで、本当はおかしいのではないかと思われることは排除してビジネスをやってきて。今振り返ると、こういうビジネスモデルになっていた、こういう新しいビジネスモデルとかもある程度打ち立てられたかもしれないと思うのですが、投資家で売り込む必要が無いのでビジネスモデルを語る必要が無いんですよね。だから間違ったことをやらなければ良い。

僕らは何をつくるべきかということを考えて、コンサルティングもしたいし、そこで最高の物を定義できればそれを自分達の手でつくり上げたいし、それが使われるようになったら本当に所期の目的で役立っているんだよねというサポートを全部自分達でしていきたい。下請けに投げるという発想も無いし、親受けから仕事をもらってきて、自分がユーザーと話せない、交渉できないような所で仕事をして何の意味があるのかと思っているので、最初から下請けは一切やらない。

最初独立した時はそれなりに業界でレピュテーションもあったので、ほとんどのSierは専門でやってきた人がやれば良いけど、その周りのシステムもあるし、契約もそういった金融機関とやるのも難しいから、僕らがそういうものを全部やっているから、好きなところに専念してもらって組みましょうよと言われました。要は、下請けをやれということですよね。ふざけるなと。なぜなら、システムはどちらが知っているのか。一緒に競争しても、何人連れて来ても良いよ、絶対に俺達は負けないと思った。しかも金融は素人。なぜ僕らがあなたの下に付かなきゃいけないのかと普通に思うわけですよ。

だから全部断って、僕らは金融機関とも直接、最初会社をつくった1年目から直接の契約を結ばせてくれなきゃ駄目だと、そこで何をつくるべきかという話と、だから期間と時間がこのくらいかかるという話を一括して僕らが交渉できない立場ではやらない。この業界の中ではそれをやっている会社は99.9パーセント無いですよね。それを持って後から見た時に、それがビジネスモデルと呼べるところじゃないかなと、そんな順番じゃないですかね。

社長プロフィール

President's profile
氏名 金子 英樹
役職 代表取締役社長
生年月日 1963/9/1

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