Vol.1 アウトドアの新スタイルをつくる決意
―アウトドアの新スタイルをつくる決意―
【山井】
小さい頃は、父から将来は自分の会社を継いでほしいようなことを言われたこともありましたが、実際に就職をするタイミングでは僕には何も言わなかったんですね。なので、自分で就職先を探して普通に就職しました。ハイブランドの輸入代理店業をやっている会社で、例えばシャネルとかカルティエとか、ヨーロッパのハイブランドの総代理店権を持っている会社に就職しました。
ヨーロッパのブランドを輸入して日本で販売するような会社でやっていましたが、企画営業のような形で商品開発にタッチしながら営業もするような仕事をやっていました。非常にその会社にはブランドがたくさんあって、いろいろなブランディングの勉強にはすごくなりましたね。
自分から言うと、高校生まで田舎で育っているので、8年半くらい東京で生活している中で、自然に対して自分自身が枯渇してしまったということがありまして。ビジネスパーソン的に言うと、当時はジャパンアズナンバーワンという本が売れていたりして、日本は経済的には成功していましたが、国民生活的に実感としてそんなに豊かではない時代だったんですよね。
一方で、車の登録台数の10%が四駆の車になっていて、アウトドアマインド、アウトドアをやりたい人達はたくさんいらっしゃるんだろうなと思いましたが、そういうことを実際に提供している会社は無かったんです。
父の会社に入ればそういうことができるんじゃないかなというふうに思いましたし、ちょうど就職してから3年くらい経った時に父から電話がかかってきて、3年経ったから帰って来いと、それまで何も言わなかったんですが、そういった帰って来いというコールもあったので、スノーピークに入りました。
86年の7月に入社して、87年の12月くらいまでにオートキャンプのアイテムを100アイテムくらいつくりまして、88年からそれを販売し始めました。なので、社内起業のような形で新規事業を一人で立ち上げるというようなことをやりました。
初年度は88年で、当時はスノーピークは年商5億円くらいでしたが、多分8,000万くらい売上が上がって、13パーセント売上を伸ばしたということで。その次の年からはもっと伸び率が激しく、93年にはスノーピークの売り上げは25.5億円までいったので、そういった新規事業を立ち上げてから5年後に売上を5倍くらいにしたわけですね。
自分自身が東京で学生時代からサラリーマン時代までに感じていたような、そういった登山ではないアウトドアというのを、新しいアウトドアの遊び方をみなさんが潜在的に待っていらっしゃったんだと思うんですよね。
車の登録台数の10%が四駆の車になっていたように、そういった潜在ニーズが高かったところに、オートキャンプというのはミニバンやSUVのような四駆の車にキャンプ用品を乗せていくキャンプのスタイルですので、非常に潜在ニーズにフィットした提案をした結果、そういった売上に繋がったというふうに思います。
経営者プロフィール
氏名 | 山井 太 |
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役職 | 代表取締役社長執行役員 |
会社概要
社名 | 株式会社スノーピーク |
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本社所在地 | 新潟県三条市中野原456 |
設立 | 1971 |
業種分類 | 農業・林業・漁業 |
代表者名 |
山井 太
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従業員数 | 759人 |
WEBサイト | https://www.snowpeak.co.jp/ |
事業概要 | アウトドア製品の開発・製造・販売、アパレル製品の開発・製造・販売、アーバンアウトドア事業、キャンピングオフィス事業、地方創生事業、グランピング事業 |