Vol.4 イノベーションを生み出す独自の開発環境
―イノベーションを生み出す独自の開発環境―
【山井】
スノ―ピークの製品は今800アイテムくらいありますが、その800全てが自社開発の製品なんですね。
基本的には我々もアウトドアパーソンとして、キャンパーとして、自分達が欲しい物で他に無いものをきちんとつくっている会社で、全ての製品には永久保証は付いていますし、他社の真似をしたことはありません。そもそもドームテント、タープ、システムデザインされたリーベンキッチンシステムというスタイル自体がスノーピークがつくったものなので。1つの製品も、例えばマイクロストーブとかのそれぞれのアイテムについても、我々がつくった後に他の会社が同じような製品をつくっているようなケースはたくさんありますね。
チャレンジをすることでしかイノベイティブな商品はできないと思うので、自由闊達な空気があって、スノーピークの中で何をやっても良い、何をつくっても良いですよという前提条件があります。
かつ、こういったキャンプ場の中に会社があるので、永久保証も付いているので、永久保証を付けるためにはフィールドテストの繰り返しで、このフィールドの中でその製品のクオリティを高め、使い勝手も高めて、スノーピークのロゴマークを与えて良い段階になったものしか製品にはしないというポリシーがあるので、非常にチャレンジングなクリエイティブな作業をやりつつ、品質のつくり込みはきちんとこういう環境の中でやるという2つが求められているのだと思います。
スノーピークの開発が他社と違うところがあるとすると、基本的には1製品1担当で、企画から金型を起こし、製品を製造し、お店に並んでパッケージとか、あとはお店の中でのディスプレイとかも含めて一人の人が追いかけてやります。
ですので、この製品が例えば山井という人間がつくりました、だから僕にインタビューしてくれれば、この製品をなぜつくったかということが自分の言葉で語れるという製品になっているんですね。もちろんマイルストーンの中で、クリエイティブレビューで僕も参加して意見を言いますし、個人の力だけで開発をしているわけではなく、当然チームの力として高められて品質が高くなりつつ製品化されますが、基本的にはプロダクトの担当は一人なんですね。なので、全てにタッチができるんです。
スノーピーク以外のいろいろな会社の開発やデザインの現場はパートごとに分業になっていると思いますので、一体誰がその製品をつくっているのか分からない。本当に僕が作った製品であれば僕がちゃんと欲しいですと言える製品のレベルまで追いかけることができますが、それが分業ではできないと思いますね。
例えば自動車メーカーさんは車だけしかつくらないので、例えばハンドルだけをデザインしている人がずっといるかもしれませんが、スノーピークは自動車だけをつくっている会社では無いんですね。アウトドアで暮らしをする全ての製品群をつくっているので、同じ製品をつくり続けるということはあまり無いですね。なので、パートごとに分業が逆に言うと成り立たない会社なのかもしれないですね。
経営者プロフィール
氏名 | 山井 太 |
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役職 | 代表取締役社長執行役員 |
会社概要
社名 | 株式会社スノーピーク |
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本社所在地 | 新潟県三条市中野原456 |
設立 | 1971 |
業種分類 | 農業・林業・漁業 |
代表者名 |
山井 太
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従業員数 | 759人 |
WEBサイト | https://www.snowpeak.co.jp/ |
事業概要 | アウトドア製品の開発・製造・販売、アパレル製品の開発・製造・販売、アーバンアウトドア事業、キャンピングオフィス事業、地方創生事業、グランピング事業 |