株式会社ダスキン ~卓球部コーチから社長に登り詰めた男が描く「ダスキン」変革絵図~

Vol.2 仕事との向き合い方

株式会社ダスキン 代表取締役 社長執行役員 山村 輝治 (2016年11月取材)

[もっとみる]

―仕事との向き合い方―

【山村】

私は小学校の教職につきながら、高校の監督に「どこか全国でそういう高校があれば紹介してほしい」とお願いしていました。私が進学していた高校は私立だったので、その高校の監督も全国的に卓球の有名な監督でしたので、全国の私学に結構顔がきくということもあってお願いをしていたわけです。そうこうしているうちに監督から連絡があって、「高校ではないけど実業団で、これから新しく女子の卓球チームをつくるという話があるけど、1回話を聞いてみないか」と紹介されました。

なぜその監督にそういう話がきたかというと、ダスキンの中で創業者、鈴木清一が亡くなって、なんとなくその企業集団が、目標を失い少し暗い感じになるんじゃないかということで、それをスポーツで明るくしていこうということが当時、社内で起こったそうで、男子のバスケットチームと女子の卓球チームをつくるということでした。結局高校の監督に間をもってもらって、ダスキンの担当者とお会いして「チームをつくるのでぜひ一緒にやろう」ということがダスキンに入ったきっかけです。

あまり大きな声では言えませんが、ダスキンの将来性や事業内容は全然興味がなくて、卓球を指導しに入ったのが本当の理由ですね。やりたくて仕方なかったので。実業団と言いながらも、スタートして間もないころということでまだ弱小ですので、通常の社員として勤務時間はきちんと仕事をして、勤務時間が終わってから卓球の練習でしたから、実際練習が始まるのは6時半か7時くらいから、毎日2時間くらいずっとやっていたという環境でした。ただ、教職についていたので、あまり営業はやりたくないということは紹介してくれた人にお願いしていて、その方も「わかった」と言われたんですが、なぜか最初から直営店のレンタルモップの営業拠点に配属されたんです。

話が違うなと思ったんですが、ダスキンはレンタルビジネスが一番の中心だから経験しておくべきだということで入りました。訪問営業でしたので、お客さんの都合が色々あります。「すぐ持ってこい」とか「すぐ見積出せ」とか様々な要望をされます。そうなると実態としてなかなか練習時間に行けないんです。“先週は”練習をしていた(ということになります)。自分が行けないので結果としては何年後かに別のコーチを入れました。ですから、私以外は営業拠点に配属することはしないようにしました。入れば、そこには仕事をしている同僚はいますから、その人たちを差し置いて「今から練習あるからお客さんのところに代わりに行って」とはいきません。結果的には社長になるまで、ずっとなんだかんだ言いながら営業関係の仕事ばかりでした。当初お願いしていた人事や総務には全く配属されることなく今日まで来ましたね。

当時思い浮かべると、やはり表の雰囲気などを見て、行きにくい店というのがありました。自分で飛ばすことも(ありました)。自分の都合でやっているとお客さんとの距離は縮まらないので、本当に1年間は成績が最下位くらいだったと思います。ところが、さきほどお話したようにお客さんからそう言われた後は、そこから気持ちを変えて、できるだけきちっと回っていくようにしました。また、契約になったお客さんにも、交換だけではなくそれ以外の時にも訪問していると、お客様から別のお客様を紹介していただけるようになったので、広く浅くではなくて深くお客さんと知り合うことによって関係性が良くなってくると、お客様がお客様を紹介してくれるというのが、多くなってくると、仕事に面白さが出てきました。

仕事というのは、基本的に自分で選べないと思っています。自分のやりたいことがもしあれば、それは独立すればできると思うんですが、会社で勤務する限り、やはり上司あるいは会社からこういう仕事をしなさい、こういうところでやりなさい、そう言われます。全員そうだと思うんです。その中でできるだけ自分のパフォーマンスについて、少なくとも同じ世代より少し頑張ろうということをしていくと、それを誰かが見ていて、次は「この仕事しよう」というのが続く、その繰り返しが僕の今日です。中にはトップ目指してとか上を目指してというのも決して悪くないと思うんですが、私自身に関してはあまりそういうことではなくて、今の仕事を一生懸命やって、それなりのパフォーマンスを上げていくと、結果的に部門や役職が変わってきたというのはあるかと思います。

社長プロフィール

President's profile
氏名 山村 輝治
役職 代表取締役 社長執行役員

あなたにおすすめのコンテンツ

この社長に応援メッセージを送る
この社長に直接提案