株式会社ディー・エル・イー ~無職から上場企業経営者に。どん底から這い上がった男の大逆転劇~

Vol.3 起業半年で社長から無職に

株式会社ディー・エル・イー 代表取締役CEO & Founder 椎木 隆太 (2017年7月取材)

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―起業半年で社長から無職に―

【椎木】

実は、ソニーにいてもいいんじゃないのと思う気持ちが段々と少しずつ増していました。出世もしていましたし、「いいじゃん、ソニー」という思いも少し出てきたんですよね。しかし、10年以上経ち、年齢も34歳になっていたので、まずいのではないかという気持ちもありました。

もしこのままソニーにいるという選択肢をあと数年とったら、それこそソニーが心地いいという気持ちがより大きくなり、さらにはもう辞めたら大変なんじゃないかという別の気持ちが起きたりするのではないか。もしかしたら自分の人生の夢、大きな目標であった、自分で会社をつくるということをあきらめて人生が終わってしまうんじゃないかという恐怖や、いや、このままでいいんじゃないかという葛藤が、33歳や34歳くらいからものすごく出てきました。

それと同時に、ソフトウェアビジネスで培った個人的な信頼とか個人的な自信が掛けあわさり、今起業したら勝てるのではないかという思いと、ここで決断しなかったら一生後悔するのではないかという恐怖と、そのダブルですね。自信と恐怖のダブルパンチ。

私の中では、35歳から45歳くらいのいわゆる若すぎず老いすぎずの時代を、勝手に人生の勝負どころとして「黄金の10年」だと位置づけていたのです。ここで勝負しなきゃいけない、あと1、2年ソニーにいたらもうずっと自分は60歳までソニーにいる人生を送るのではという思い。勝負するなら当時の34歳、あるいは35歳前にしないといけないという、恐怖と焦り。35歳から45歳までの時間をもともと大事にしていたために、決断に至りました。

振り返ると正視できないくらいのトラウマは、起業直後に起きました。私が20%の株主で社長になり、会社を始めたのですが、半年くらい経ったら社長をクビになりました。ビジネスモデルもお金もその会社に残ったまま、無職になってしまったのです。

その時は何をしていいのかわからなかったです。これで勝負だとずっと思っていたビジネスモデルがなくなり、仕掛けようとしてもお金もなくなり、本当に何もない状態になってしまって。ソニーで持っていた社会的信頼も何もない個人の、34歳のおじさんが何を言っているの、というような状態に落ちてしまったのです。すべてを失った感じがしました。本当に立て直せるのかなと、当時は恐怖だらけで本当に真っ暗でした。

その時に感じたのは、やはりソニーの後ろ盾はとてつもなく大きなものだということ。個人になったときの後ろ盾は全くないわけですよね。いかに企業に自分自身が守られてきたか、ブランドに守られてきたかはすごく大きな学びでしたし、今まで通りの自分の発言や行動では、社会的には許容されないのだとすごく学びました。どん底に落ちた中でそういったことも見つめ直して、自分が変わらなければ何も変わっていかないのだろうなと、すごく思いました。

社長プロフィール

President's profile
氏名 椎木 隆太
役職 代表取締役CEO & Founder

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