株式会社Preferred Networks トヨタ、パナソニック、ファナックなどと業務提携するIoTベンチャー 株式会社Preferred Networks 代表取締役社長 最高経営責任者 西川 徹　 (2015年10月取材)

―第２のサービス―

【聞き手】

その記念すべき1件目の受注を皮切りに、どんどん受注が入り込むようになった。

【西川】

そうですね。その会社に売れてから、同様の検索エンジンのニーズがあるところで売れるようになってきましたね。

その時は最初に発売したのは検索エンジンだったんですが、その後に、「レコメンテーションエンジン」という、この記事を読んでいる人はこの記事を読んでますだとか、こういうものを買ってる人はこういうものも買っていますみたいな、Amazonでもよく見る機能がありますよね。

設立してから1年半くらいの時に、こういうことをするようなエンジンをつくったんですね。そのエンジンというのが、2年目の2月頃に、朝日新聞さんに売れたんですね、それからどんどん引き合いが出てくるようになって、改めて大手の名前の威力を感じました。

【聞き手】

いわゆる受注生産と言いますか、企業にこういうものをつくってと言われたものをつくって渡す方が、簡単に実入りになるというイメージがあるんですが、それはやらないと決めていらっしゃったんですよね。

【西川】

そうですね。受注生産は、ビジネス上大切なことだと思うんですが、我々が目指しているビジネスというのは、世の中で広く使われるというものなので、どうしても受注型だと人数に比例した売上しか得られないと思いました。

要は人×個数×単価になるので、それだとどこかで限界が来てしまうだろうと。自社のプロダクトを持つということが非常に重要だと考えて、そこにフォーカスをして活動していこうと。

一度、お金の入りやすい手段に慣れてしまうと、人の心はそちらに行ってしまうので、一切そういうことはやらないと決めて進みました。