ランサーズ株式会社 働き方に改革を！労働の概念を覆したクラウドソーシングビジネスの全貌 ランサーズ株式会社 代表取締役社長 CEO 秋好 陽介　 (2015年12月取材)

―『Lancers』という働き方と地方創生―

【聞き手】

また新しいサービス、こういうことをやったら面白いんじゃないかって考えていらっしゃるものはありますか。

【秋好】

大きく2つございまして、1つはやはり日本だけじゃなくてグローバルでやるということです。

日本の企業が海外の個人の方に発注するというのもありますし、海外の企業が日本の個人の方に発注することも十二分に可能性としてあると思ってますので、このグローバル展開というのは、近日したいというふうに思っています。関連する会社というかサービスは、今年の4月に買収したので、そこのグローバルを推進したいというのが1つと。

もう1つは、今『Lancers』をお使いの個人の方というのは、能力ある方がそのまま、オフラインでも働けるけどオンラインでも働けるという感じなんですね。ただそこを、能力がもう少しという方を教育して、ランサーズに登録すれば働けるようになるという、教育のところを個人的にはとても興味がございまして。

【聞き手】

それはすごい可能性がありますよね。

【秋好】

そうすると、働く人の裾野が広がっていくので、しかもそれをグローバルでやるという、二重三重によりこういう働き方ができる人が増えてくると思ってくるので、グローバルと教育は是非やりたいと思っています。

『Lancers』の中でも、実は主婦の方でお子さんがいらっしゃって、外に出るのは難しいけれども、家で働くのであればできるわ、というユーザーさんが多数いらっしゃいます。

そういう方は、いきなり高度なフリーランスな仕事ではなくて、初歩的な仕事をやって徐々にレベルアップして、最後は月に30万円くらいもらえるまでに働けるようになっているようなお母さんもすごくたくさんいらっしゃるんですよね。

現にいるっていう方と、まだ不安ですという方もいらっしゃるので、今弊社では奄美大島とか、横須賀とか、東京もそうですけど回って教育講座というのもやっていて。そういった方を教育して実際に働いて、家でもできるっていうふうな取り組みもしています。

まだまだ取り組みはこれからなんですけども、働ける女性を増やすことというのは我々のビジョンでもあるので、是非推進していきたいと思ってやってる最中ですね。

【聞き手】

御社の中で、活躍をされていらっしゃるそのフリーランスの方で、凄い方だとどれくらい稼がれているのですか。

【秋好】

すごい方だと年収1,000万円、1,500万円以上稼がれている方というか獲得されている方がいらっしゃいますね。

【聞き手】

その額だけ聞いたら、普通のいわゆる会社勤めであっても、なかなか手の届かない年収だと思うのですね。そういったことは個人で、働き方を選んだ中でできるというのは素晴らしいことですね。

【秋好】

そうですね。インターネットや『Lancers』がなかったら絶対にできなかった働き方なので、年収1,500万円の方とかも、地方にいながら色々な企業から発注をもらっていて。インターネットがなかったら無理だったと思うんですね。

ですので、今までできなかった働き方が、本当にそういう人たちが登場し、増えているというのは、すごく大きなムーブメントだなと思いますね。

最初に『Lancers』をつくった時は、やはりITのサービスなので東京中心になるかなと思っていたんですね。ただふたを開けてみると、発注者は5割以上東京なんですが、実際働く人の8割が地域なんですよ。

つまり、東京の仕事が、地方に再分配されているというのが『Lancers』で起こっていることで、これはちょっと自分が関西出身でそうしたかったと言いたいところなんですけども、ふたを開けてみるとそうだったっていうところのほうが大きいですね。

【聞き手】

現在、秋好社長は地方創生ベンチャー連合、共同代表理事をやっていらっしゃいますが、そのあたりも地方創生といいますか、地方でなかなか働く環境が東京のように恵まれていない方々にも、仕事をどんどん与えていきたいとか、地方の企業にもチャンスを与えたいとか、そういう想いがあってのことでしょうか。

【秋好】

そうですね。熱意ある、地方創生連合というベンチャー企業10社と立ち上げて、活動しています。

なぜやっているかというと、1つは『Lancers』と関係なしに、地方創生って基本的に地域の中で新しいものが何かないかという活動なんですが、実はあまりなくて。今あるものを少し編集(活性化)するだけで、「イケてる観光」や「イケてる雇用」というものは生み出せるんですよね。

その編集をする力というのがITなんですよ。ですので、我々ベンチャーはITが強いので、ITのソリューションの力を地域と掛け合わせることで、良い編集ができますよっていう想いが理由のひとつです。

弊社としては、8割が地域の方だというように、サービスの活動自体がある種、地域創生、地方創生に繋がるので、雇用の領域において、働ける地域の方を増やすというところをドライブして。結果、地域がハッピーになればいいなというところで活動させていただいています。