Vol.2 大学を辞めて起業するという決断
―大学を辞めて起業するという決断―
【聞き手】
東京に出てこられて、大学に入って、意気揚々と進学してこられたと伺っております。
【佐藤】
今でいうと中国みたいな状況の方が近いと思うのですがね。(大学は)もう少し自分の道に対してすごく真剣な人たちが集まる場所だなと私は思っていたのですけども、そうではないなという勘違いがありましたね。
【聞き手】
頑張って受験しなければ入れない大学なので、皆さん入ったら、割とこう少しホッとした気分もあって緩い感じだったのですか?
【佐藤】
そうですね。あとは4年間という時間があると、一旦一休みしようと思うのはその通りだなと思っていて。よく考えてみたら私は時間がなかったからこそ、入った瞬間から次どうしようかと真剣に考えていたのだろうと思います。私も多分4年間あったら同じような感覚になっただろうし、それは仕方ないものなのかなと思いました。特に、法科大学院の仕組みができて6年、8年勉強するのは、人生の時間にしては無駄とはいい切れないですけど、もう少し違うことができるのではないかなと思っていたので、途中で方向転換して、やはり事業を始めようとなりましたね。
150万円くらいあって、それを何に使うかずっと考えていましたね。それで、マスターの授業は1年間で120万くらいで、これを使ってしまったら残りがないので、(大学)3年、4年は難しいのかなというのはありましたし、この資金を何でレバレッジをかけようかと思うと、1年間の学費でかけるよりは事業でベットした方がリターンは大きいだろうなと打算的な考え方もありました。
【聞き手】
そこで、辞めようと決断されるのは、なかなか勇気のいることだと思うのですが。
【佐藤】
そうですかね。私と同じ環境に置かれたら、皆そういう決断をすると思いますけどね。
例えば4年間、自分で働かなくても、別の大学は出られるというのであれば、そういう決断はしないと思いますが、150万円渡されて、4年間あるけどもこれでどうにか生活して次の道選んでと言われたら、大体事業を起こすか、途中で辞めてどこか(の会社)に入るのではないかなと思いますけどね。
【聞き手】
これでビジネスを興そうというふうに思ってらっしゃったビジネスの種のようなものはあったのですか?
【佐藤】
それは全くなかったですね。とりあえず始めようかと。始めてから考えようかという感じでしたね。
【聞き手】
ご家族などは反対されなかったのですか?
【佐藤】
基本は事後報告なんです。
【聞き手】
反対も何もないんですね。
【佐藤】
そうですね。自分の道は自分で決めるものなので。
【聞き手】
昔から、佐藤家の家訓じゃないですけど「すべてやることは自己責任」と、そういうものがあったと伺っております。
【佐藤】
そんなに偉そうなことを言っていたわけではなくて、結局は放置という感じです。余裕がなかったので、好きにやってというようなスタンスだったのかと思います。恐らくもう少し時間的な余裕、経済的な余裕があれば、しっかりとした教育をしていたのではないかと。結果的にそれが私の人生にとって良かったかというと、そうではなかった気がしていて、あれもこれも自分でやらなければならなかったからこそ、身についた力というのは多かったですね。
【聞き手】
でも何でもかんでも自分でやらなきゃという、自立心が身に付きますよね。
【佐藤】
自分の人生は自分で選択するものであるというのを、かなり早い段階から理解していたというのは良かったです。
経営者プロフィール
氏名 | 佐藤 航陽 |
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役職 | 元代表取締役社長(創業者) |
会社概要
社名 | 株式会社メタップスホールディングス(旧株式会社メタップス) |
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本社所在地 | 東京都渋谷区渋谷二丁目24番12号 渋谷スクランブルスクエア |
設立 | 2007 |
業種分類 | 情報通信業 |
代表者名 |
佐藤 航陽
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従業員数 | 75名 ※2023年10月1日時点 |
WEBサイト | https://metaps.com/?lang=ja |
事業概要 | アプリの集客・分析・収益化をワンストップで支援する開発者向けプラットフォーム「metaps(メタップス)」と、オンライン決済サービス「SPIKE(スパイク)」を提供 |